早稲田大学ラグビー部が、大学選手権で優勝した年、当時の中竹竜二元監督にコーチングをしていました。
今日は、20セッション近く実施した、コーチングのうちの1回をご紹介します。
20年に一度の逸材。
ヒーロー的な選手がいました。
身体もでかく、プレーも学生の域を超え、激しさもあり、まったくびびらない。
ラグビーへの理解度も高く、的確なサインを出す。
仲間からは、安心感があり、相手チームからは、脅威となる存在。
チームの精神的支柱となる、キーマン。
そんな彼が怪我をしてしまった。
コーチ:
「 なんとか、彼が早く復帰できるようにしたいですか?
それとも、彼ナシでも、勝てるチームにしたいですか? 」
中竹監督
「 うーん・・・。
いやー、なんとか、彼ナシでも、勝てるチームにしたいです。」
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中小企業でもそうだし、プロジェクトチームでも、一人、ヒーロー的な社員や営業マンがいて、
その一人のスーパースターの成績によって、
会社やチームが、保たれていることはよく見かけます。
みなさんの周りにもいないでしょうか?
この人、欠けたら、結構ヤバいっていう人。
よく言われるのは、中小企業の社長さん。
実は、一番の営業マン。
だから、年中忙しく倒れちゃうと、会社もヤバいってこと。
当時の、早稲田ラグビー部にとって、その選手は、そんなヒーロー的な存在でした。
コーチ
「 彼ほどじゃないけど、
彼に近い選手はいないですか? 」
中竹監督
「 いやー、いないんですよ10年か、20年の逸材ですね。
彼みたいな選手は、めったにでてこない。 」
コーチ
「 わかりました。
彼が持っているいい要素、チームを勝利に導くために、
絶対不可欠な要素を、フセンになるべくたくさん書き出してください。 」
中竹監督
「 12枚、書けました 」
コーチ
「 では、その12枚を、似たもの同士で、グルーピングしてみてください。 」
中竹監督
「 あー、4つ、すごく重要な要素が見つかりました。
1つ目は、『象徴』ですね。
絶対ぶれない芯を持った、守護神的な存在です。
2つ目は、『脅威』
相手チームにとって、早稲田が恐ろしい存在として感じられる。
3つ目は、『ゲームパフォーマンス』
4つ目は、『リーダー』
冷静な判断、的確なサインだし。優れたコミュニケーション。 」
コーチ
「 たった一人で、そのすべてを、備えてる選手はいないかもしれませんが、
それぞれに優れている選手はいますか? 」
中竹監督
「 います。例えば、『象徴』ならK選手。 」
コーチ
「 他には? 」
中竹監督
「 M なんかも、そのサブ的な存在ですね。 」
コーチ
「 それでは、4つの要素それぞれに対して、一番手、二番手、決められますか?」
中竹監督
「 はい。
『象徴』 は、K と M
『脅威』 は、Y と H
『ゲームパフォーマンス』 は、T と N
『リーダー』 は、M と B 」
コーチ
「 4人の選手が、それぞれ、4つの役割を担ったとしたら・・・ 」
中竹監督
「 絶対勝てますね。 」
コーチ
「 そして、万が一、どれかの役割の一番手がけがをしたとしたら・・・ 」
中竹監督
「 二番手にその役割をおわせればいい。
ヒーローがいなくても、ぶれないチームになりますね。 」
コーチ
「 どんなことがあっても、監督のイメージ通り、勝てるチームになりますね。 」
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